「在宅医療・介護あんしん2012」とは?

医療保険の診療報酬改定は2年に一度、介護保険の介護報酬改定は3年に一度実施されています。2012年は、6年に一度の診療報酬・介護報酬の同時改定の年でした。厚生労働省は、「在宅医療・介護あんしん2012」と銘打って、報酬改定を含む在宅医療と介護の推進に向けた政策を総動員したのは記憶に新しいことでしょう。

 

都道府県が策定する医療計画の中には、5疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病・精神疾患)と5事業(救急医療・災害時における医療・へき地の医療・周産期医療・小児医療)が盛り込まれていますが、これらに在宅医療が組み込まれました。在宅医療は、行政が実態を把握して、医療計画を立てなければならない事業となった訳です。

 

在宅医療には、末期がんや脳卒中による片麻痺、心臓病、糖尿病、そして認知症などの精神疾患が含まれているだけでなく、在宅医療が行われることで高齢者等の救急医療が減ることや、災害時においての在宅医療の有効性も東日本大震災の際に実証、へき地における在宅医療や小児在宅医療もあることなど、5疾病、5事業を包括する医療であるために、並列の扱いとなっています。

 

2012年度の制度・報酬の見直しにより、診療報酬改定では、従来の在宅療養支援診療所に加えて、機能強化型を新設、医師数や医療機関同士の連携の有無に合わせた加算制度があります。介護保険では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などを新設、地域包括ケアの確立を目指しています。

 

地域包括ケアとは、住み慣れた地域の中で、医療・保険・介護の連携にとどまらず、地域の助け合いである互助や自分で出来ることを自分でやる自助を組み合わせながら安心して暮らせる仕組みを作ることが目的になります。これらの制度は、社会情勢の変化に強く影響を受けることが懸念されていますが、国は、保険制度を見直すことで社会保障のあるべき姿に向け誘導していこうとしているのです。

 

介護事務、介護職員初任者、実務者、ケアマネジャーなどの介護の現場で働くスタッフ達は、介護保険にとどまらず、制度全体のことに関心を向けながら仕事を続けて欲しいと願っています。