介護保険法改正の6つのポイント

介護保険法改正の目的

 

2012年4月から施行される改正のポイントは、「高齢者が地域で自立した生活を営めるよう、日常生活圏内において医療・介護・予防・住まい・生活支援サービスが高いレベルで提供される”地域包括ケアシステム”の実現に向けた取り組みを進める」ことと、「介護保険給付の効率化・重点化などを進め、給付と負担のバランスを図ることで、将来に渡って安定した介護保険制度を構築されること」になります。

 

そのための具体的な改正点は次の6つになります。

 

@医療と介護の連携強化
医療・介護・予防・住まい・生活支援サービスが、それぞれ分離しているのではなく、要介護者の状態に合わせて適切に受けられるような包括的な支援=地域包括ケアを進めていこうという取り組みです。

 

それを実現させるためには、日常生活圏ごとに地域のニーズや課題を把握したうえで、介護保険事業計画を作成したり、一人暮らしや重度の要介護者に対応できるように、24時間対応の定期巡回や複合型のサービスを提供することを目指しています。

 

A介護人材の確保とサービスの向上
これまで医療行為として医師や看護師のみがおこなっていた「たんの吸引」「経管栄養(口から食べ物を摂取できない場合に、鼻などに管を通して栄養を摂取する方法)の実施」などを介護福祉士や教育を受けた介護職員(介護事務員を含む)がおこなうことを認める内容が盛り込まれました。

 

また介護福祉士や介護事務員の向上を図る観点から、2012年4月に、介護福祉士の資格取得方法を一定の教育を受けたあとに試験を受験する形に一本化する予定であったが、より多くの人材を確保するために施行を3年間延期することになりました。

 

B高齢者の住まいの整備
現在、有料老人ホームに入居する際の前払金の返還を巡って、事業者と利用者のトラブルが絶えない状況が続きています。そのため利用者を保護するための規定が加わりました。

 

また厚生労働省と国土交通省が連携をして、サービス付き高齢者向け住宅の供給を積極的におこなっている段階です。まだまだこれから、というところが実際であります。

 

C認知症対策
認知症になった身寄りのいない高齢者の権利を守るため、市・区・町・村ごとに市民後見人を育成していく流れになっています。

 

また認知症患者に対する具体的な取組みが進んでいないことから、介護サービスの提供者である市・区・町・村において地域の問題に合わせた認知症支援対策を盛り込むことが求められています。

 

D保険者による主体的な取り組みの推進
定期巡回などを普及させるべく、地域の判断で公募による選考で事業者指定をおこなえるようになりました。保険者である市区町村が中心となって地域密着型サービスを整備していく必要があり、地域密着型サービスなどの介護報酬は、市町区村独自の判断で設定することが出来るようになります。

 

E保険料上昇の歯止め
現在、上昇を続けている保険料を抑えるため、介護保険財政に不足が生じることになった場合、市町区村に、各都道府県に設置された財政安定化基金から貸付や交付が出来るようになりました。