「介護療養病床」の廃止問題

まず「介護療養病床」の廃止問題に触れる前に、そもそも「社会的入院」(=入院治療の必要はないが、退院して自立した生活を送ることが難しいため、退院させられない状態になること)という課題に対し、介護療養病床を持っている医療施設に円滑な転換をおこなうように支援している最中ですが、なかなか前へ進んでいないのが現状です。

 

介護療養病床は、2012年3月31日までに老人保険施設や特別介護老人ホームなどに転換を果たし、制度は廃止される予定で話が進んでいました。しかし、2006年に全国で約12万床ほどあった介護療養病床が、2010年の時点で約8,6万床ほど残っており、転換が進んでいないのです。

 

そのため介護保険法では、これまでの政策方針を変えずそのままの状態で、現在存在するものは6年間、要するに2017年度末まで転換期限の延長をすることにしたのです。

 

また2012年度以降の介護療養病床の新設・増設は認めないこととして、今後も介護療養病床から老人保健施設や特別介護老人ホームなどの介護施設などに転換をスムーズに進めるために必要な追加的支援策を講じる運びとなったわけです。

 

小規模多機能型サービスについて

 

施設に入所することは、便利で安全なように見えますが、不便な点もたくさんあります。住居は自宅から施設に変更されますし、デイサービスやショートステイは受けられるものの、どうしてもケアプランに合わせたスケージュールで動かなければなりません。

 

どちらかというと自分の意思よりも、サービスのスケジュール中心の生活となってしまうのです。

 

そこで登場したのが、小規模多機能型サービスです。自宅を生活の中心として、場合によっては要介護者が施設に通ったり、時には宿泊することも可能な様々な形のサービスを組み合わせて提供しています。

 

居宅や在宅での生活継続を支援することに重きが置かれており、サービスを提供するのは小規模多機能型居宅介護事業所になります。

 

この事業所が中心となることで、利用者の希望を聞き、事業所の通いや利用者宅への訪問、また事業所に泊まることもでき、さまざまな形のサービスを柔軟に提供することが可能になりました。

 

また1つの小規模多機能型居宅介護事業所で、登録数を25人程に設定していますので、小回りがきくサービスを提供できるのが特徴です。また事業所がグループホームなどの施設と併設している場合、その施設を自宅とみなし、小規模多機能型サービスを受けることも可能となっています。